Vol.1 “LIving Together Single”に関する実態調査結果

親と同居することの意義とは?

さらに、親と同居することの意義について複数の項目を設定し、「そう思う」「ややそう思う」「あまりそう思わない」「そう思わない」の4段階で項目別に評価を聞いてみたところ、すべての項目で「そう思う」と「ややそう思う」を合計した「肯定姿勢」が多数となった。実家での親との同居に関する設問で、「親と同居していることはかっこ悪いことではない」への肯定姿勢は76.1%、「親や家族で集まって住むことはいいことだと思う」では73.1%、また「自分は家族の絆を大事にしている」で70.2%と、いずれも7割を超え、「今後も親と同居していきたい」でも68.2%と、「LITS」であることをポジティブに考えていることがわかった。
ちなみに「肯定姿勢」が最も高かったのは、「自分は趣味を大切にしている(85.7%)」、また「自分は仕事を大事にしている」の問いでも63.9%と、親との同居をポジティブに捉えていることで、自身のやりたいことも実現できている様子がうかがえた。

Q.親と同居することの意義について、項目別にあなたの考えを4段階評価でお答えください。(SA)

項目 そう思う ややそう思う あまりそう思わない そう思わない
親との同居生活は楽しい 15.5% 43.8% 31.2% 9.5%
親と同居していることはかっこ悪いことではない 26.7% 49.4% 19.8% 4.1%
今後も親と同居していきたい 21.1% 47.1% 25.6% 6.2%
親や家族で集まって住むことはいいことだと思う 16.9% 56.2% 21.7% 5.2%
同居はしているが、自分自身は自立していると思う 12.8% 40.5% 37.2% 9.5%
自分は趣味を大切にしている 31.6% 54.1% 12.0% 2.3%
自分は家族の絆を大事にしている 22.1% 48.1% 23.6% 6.2%
自分は仕事を大事にしている 14.5% 49.4% 29.5% 6.6%

親との同居で周囲から言われたネガティブな発言は?

「LITS」に対しては、様々な意見がありそうだが、親と同居していることで周囲からネガティブな発言をされたことがあるかを聞いたところ、「ネガティブな発言はされたことがない(54.5%)」と過半数を超えた。それ以外の言われたことが「ある」ネガティブ発言を複数回答で聞いたところ、「親に甘えている(29.8%)」「自立できていない(29.5%)」「親の脛をかじっている(20.7%)」といずれも少数に留まった。「LITS」自身が、実家での親との同居をポジティブに考えているため、周囲にネガティブな印象を与えないのかも知れない。

Q.親と同居していることで、周囲からネガティブな発言をされたことはありますか。
該当するものをすべて選んでください。[MA]<n=484>

震災で親と同居することに対する意識の変化は?

最後に、2011年に起きた東日本大震災の前後で、親と同居することに対する意識の変化はあったかどうかを聞いたところ、最も多かったのは「変わらない(82.4%)」と、震災以前から親との同居について肯定的だったことをうかがわせる結果だが、「震災を機に親と同居していたいという気持ちが高まった」も16.1%いた。

Q.2011年3月に起きた東日本大震災の前後で、
親と同居することに対する意識の変化はありましたか。[MA]<n=484>

今回の調査で「LITS」が数多く存在すること、また実家での親との同居に対し、経済的負担の軽減や、生活の楽さなど、実質的なメリットを感じている他、親の健康への配慮や、家族の絆を大事にし、家族で集まって暮らすことに対してもポジティブな姿勢があることが分かった。また、そのことで趣味や仕事などの自己実現も、出来ている様子もうかがえた。結婚適齢期を過ぎた大人が実家で親と暮らすことに対して、調査結果にもあったように「親に甘えている」「自立できていない」「親の脛をかじっている」や「パラサイト」などネガティブに捉えられがちな印象を受けるが、現在の経済環境・超高齢化社会の到来といった局面を生き抜く、ポジティブなライフスタイルとして、「LIving Together Single」(LITS)が新たなキーワードとなり得るかもしれない。

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