Vol.10 財産相続に関する税理士100人アンケート

2)相続人が相談をしてくるタイミング=62%が被相続人の死後~葬儀終了後1ヶ月以内!
被相続人が事前相談に来た年齢:平均最若年齢=54.6歳 (25%の税理士が40代以下を経験)

次に、被相続人が亡くなった後に相談をしてくるタイミングとして最も多いケースについて聞いてみた。財産相続を円滑に進めるためには、当事者同士で事前の話し合いの機会を持つなど、十分な検討時間が必要と想定されるが、回答として最も多かったのは「被相続人の葬儀が終わって1ヶ月間以内」で、全体の半数以上(51.0%)がこのケースに該当。以降は「被相続人の葬儀が終わって3ヵ月間以内(31.0%)」、「被相続人が亡くなった翌日~葬儀までの間(10.0%)」と続き、全体の6割を超えるケース(62%)で、被相続人の死後~葬儀終了後1ヶ月以内という駆け込みのタイミングで相談をしていることがわかった。
 参考までに、被相続人が生前に財産相続の相談をして来たタイミングとして、被相続人の年齢が最も若かったケースと、最も高齢だったケースをそれぞれ聞いてみたところ、「最も若かった年齢」の平均は54.6歳と50代前半。また「最も高齢だった年齢」の平均は77.7歳と70代後半となった。ちなみに税理士100人の中で最も若かった回答では23歳。逆に最も高齢だった回答では99歳となった。「最も若かった年齢」では、25%が40代以下だったことから、若いうちから財産相続の方法について具体的に検討をし始めている人が少なくない実態も浮き彫りとなった。

Q:被相続人が亡くなった後に、相続人が財産相続の相談をしてくるタイミングとして、最も多いものをお選びください。<SA>

 

3)税理士の81%が相続人の財産管理に「不安」を感じたことがある!
不安を感じる2大要因=「相続人が高齢」、「相続人の財産管理意識が低い」

相続人の今後の財産管理について、心配になったり、不安を感じたことがあるかどうかの設問で、「心配や不安を感じたことがある」と回答した81%の税理士に、心配や不安を感じた要因について聞いてみたところ、最も多かったのは「相続人に高年齢が多い」で半数近い46.9%、次いで「相続人の財産管理意識が低い(43.2%)」と言う結果となった。以降、「被相続人が財産管理の主な担い手であり、今後の財産管理が気がかり(34.6%)」、「被相続人が収入の主な支えてであり、今後の生活が気がかり(33.3%)」と、相続人の意識や生活力の低さが要因で、財産相続後の生活を懸念する意見が上位を占めた。

Q:相続人の今後の財産管理について心配になったり、不安を感じる例について
全てお答えください。<MA>

主な調査結果 第2部 : 税理士に寄せられる財産相続の傾向

1)相続対象となる財産ベスト3は「土地付き戸建て住宅」「預金・貯金」「株式/債権/有価証券」
相続対象となる財産総額=150万円~200億円

財産相続の対象、つまり税理士への相談対象となる財産とはどんなものだろうか。その詳しい内容について聞いてみたところ、最も多かったのは、「土地付き戸建て住宅」で全体の96.0%、2位は「預金・貯金」で91.0%、「株式/債権/有価証券」が86.0%で3位となり、相続対象となる財産種類のベスト3となった。

Q:あなたが過去に相談を受けた案件で、被相続人から相続人へ
相続対象となる財産の内容として該当するものをすべてお選びください。<MA>

では、財産相続の相談をしに来る際の、相続対象となる財産の総額はだいたいいくらくらいなのだろうか。最も低額だったケースと、最も高額だったケースについてそれぞれ聞いてみたところ、「最も低額だった額」の平均は6245万円、「最も高額だった額」の平均は10億4363万円とかなりの高額となった。また、税理士100人の中で、最も低額だった回答では150万円、逆に最も高額だった回答では200億円と、実に10000倍以上の差が出た。「最も低額だった額」の内訳では、全体の16%が1000万円以下、40%が3000万円以下だったことから、相続対象の財産総額に関わらず、税理士に相談をしているという様子がうかがえた。

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