この調査結果から血糖値が体に及ぼす影響、美容に及ぼす影響を管理栄養士の浅野まみこ氏と美容研究家の山田みどり氏に聞いてみました。
◇血糖値と美容について
体内を流れている血液中のブドウ糖(血糖)が増えすぎて高血糖の状態がつづくとインスリン機能が低下します。インスリンというのは、血糖値が上昇するとすぐに膵臓から分泌されるホルモンでその働きによって肝臓は筋肉、脂肪細胞などにブドウ糖(血糖)が取り込まれその結果、速やかに血糖値が下がっていきます。血糖値が高い状態にあると、血液は汚れてドロドロになるばかりではなく糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞などといった病気にかかりやすくなるというリスクがあります。そして、急激な血糖値の上昇はインスリン機能が低下するためにブドウ糖は血液中に余ると、様々な部位でタンパク質と結合します。ブドウ糖とタンパク質の結合を『糖化』と言います。糖化することで、皮膚も老化に加速がつきます。ハリや弾力を司るコラーゲンも糖化するので、お肌はくすみ、シミやシワ、たるみも目立つようになります。さらに、血糖値が高いと、脂肪が燃焼されにくいので分解されなかった糖は脂肪としてどんどん蓄積され太りやすくなります。ダイエットをしててもなかなか効果が出ない方…血糖値が原因かもしれません。炭水化物は食事の中間または最後にかけて食べる、毎食野菜を食べて食物繊維の多い食品を食べる等、少しでも血糖値の上昇を抑えることがポイントです。また食事の際、グァバ茶などのグァバ葉ポリフェノールを含む飲み物を飲用すると、消化管での糖の吸収が穏やかになり、手軽に食後血糖値の上昇を抑えることができます。血糖値は健康や美容そしてダイエットに切っても切り離せない関係にあります。
- プロフィール
- 美容研究家/山田みどり
- エステティックサロン「ドゥ・ソレイユ」主宰。光文社「美ST」やJ:COM「ステキ+Life」など多数のメディアに出演し、美容や健康に関するコラムや執筆を行っている。またエステティックサロン経営やコンサルティング等も行っており美容のエキスパートとして活動している。
◇正しい食生活について
体を動かすためのメインのエネルギー源は炭水化物(糖質)です。炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせたものをさします。これらは、体内で分解され、単糖まで分解し、小腸で吸収され、血中にはいります。「単糖」は血中に入ると「血糖」と呼ばれます。血糖値が上がりはじめると、すい臓から分泌されるインスリンの働きにより、糖は細胞内に取り込まれエネルギーに変換されます。このとき、血糖値が急激に上昇するとインスリンが大量に分泌され、エネルギーへの交換のほか、効率的に体内に中性脂肪をためこみ、肥満になりやすくなります。そのため、食後の血糖値をいかに緩やかに上昇させるかが大切です。
血糖値を上手にコントロールするには、「糖質」の種類や、食物繊維の摂取がポイントです。例えば、ジュースなど「二糖類」や「単糖」中心のもので摂った場合では、血糖値は急上昇しますが、炭水化物である米飯など「多糖類」で食べた場合は、緩やかに上昇します。
また、食物繊維は血糖の上昇をゆるやかしてくれるため、同じ米でも白米より玄米、白いパンより胚芽パン、うどんよりそばというように精製されていないもののほうがおすすめです。また食事の際、最初に野菜など食物繊維が豊富なものを摂ることで糖だけでなく、脂肪の吸収も抑えてくれる働きがあり、満腹感も高まるためダイエット効果にもつながります。
最近では難消化性デキストリンやグァバ葉ポリフェノールといった血糖値の上昇を抑制する成分が入ったトクホ飲料がスーパーやコンビニなどでも手に入りますのでそういったものを活用するのもオススメです。急激に血糖値が上昇しないように食生活を見直し、インスリンの過剰な分泌を抑え、血糖値のコントロールをすることは、カラダを整えるのにとても重要です。
- プロフィール
- 管理栄養士/浅野まみこ
- 総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて1万人8千人以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、企業のコンサルティング、レシピ開発、商品プロデュース、をはじめ講演、栄養指導など多方面で活躍中。NHKおはよう日本、TBS「はなまるマーケット」、日本テレビ「ヒルナンデス」をはじめ、メディアや雑誌に多数出演。